今日紹介するのは、宜野湾市 喜友名(ぎのわんし・きゆな)にある湧き水の「喜友名ガー(ちゅんなーがー)」です。ちゅんなーとは方言で喜友名のことです。
ガーとは湧き水のことで、カーと言う事もあります。
喜友名ガーはその造りが国指定重要文化財(建造物)に指定されています。
名称:喜友名ガー ( A spring water name: Chunna-ga ) National Cultural Asset
所在地:宜野湾市 喜友名 ( Location: Kiyuna Ginowan-city Okinawa JAPAN )
利用は無料( Admission: Free of charge / 利用免费 / 利用免費 / 요금 불요 )
駐車場なし( Parking lot: None / 没有停车场 / 沒有停車場 / 주차장 없음 )
ここへ行くには、宜野湾市の国道58号線の伊佐(いさ)交差点から普天間(ふてんま)向けに県道81号線へ進み、信号交差点を2つ過ぎたところ、伊佐交差点から上り坂を500mほど登ってきたところの左側です。喜友名バス停の手前30mくらいです。
この記事トップの写真の、銘板が取り付けられたコンクリート壁が道路沿いに見えると思います。
駐車場はありませんので、その壁の前後に短時間だけ路上駐車します。 ^ ^;
銘板のコンクリート壁のそばに写真のような湧き水が出ている場所があります。
なるほど、石畳状の敷石といい、石垣といい、キレイな四角いベンチのようなものといい、落ちついた雰囲気の湧き水の場所で、国指定の有形重要文化財に指定されるのもうなずけます。
・・・なんて言うのは冗談です。 ^ ^;
道沿いにある湧き水の流れは、近年建造されたイミテーションなんです。
実際の喜友名ガーは、コンクリート壁の後ろ側にある階段を降りてから行きます。
なかなか趣のある30段ほどの石の階段ですが、じつはこれも近年に設置されたもので、昔からあるものではありません。
じつは喜友名ガーは、米軍基地キャンプ瑞慶覧(ずけらん/キャンプ・フォスターとも呼ばれる)の中にあるため立ち入ることが出来ません。フェンスにはカギがかけられています。
結局、フェンスの中には入れないので、見ることができるのは県道沿いの銘板のコンクリート壁と、近年造られた湧き水もどきと石の階段くらいです、残念。
所在なくその湧き水もどきのある木陰で休んでいると、ドア横に「喜友名区自治会」と書かれた軽トラックが路肩に止まり、一人のオジサンが下りてきて、スタスタと石の階段を降りて行くではありませんか。
上の方からようす眺めていると、そのオジサンは基地のフェンスのカギを開けているみたい・・・
転ばぬよう注意しながらも急いで階段を駆け下りてそのオジサンに「中に入るのですか?」と聞くと、ぶっきらぼうに「見回り。」と言うので「一緒に中を見せてもらってもいいですか?」と尋ねるも・・・
返事はありませんでしたが拒絶もされていないので、勝手について行かせてもらうことにしました。 ^ ^;
オジサンは慣れた足取りでスタスタとフェンスの中の階段を降りて行きます。
私も遅れまいと懸命について行くのですが、写真も撮らねばと・・・あわててシャッターを切った写真はピントがボケボケになってしまいました。 ^ ^;
両側をフェンスに挟まれた下りの坂道を、オジサンはどんどん先へ歩いて行きます。
地面は草が生えていますがそこは石畳道みたいで、ゴツゴツしていて歩きづらいうえに、しかも下り坂です。気持ちは焦るのですが、なかなか追いつけません。ちょっと待ってぇぇ~ ^ ^;;;
何百m歩いたでしょうか、坂道がやがて平坦になってきた頃に、板状の岩が壁のように立てられている場所に着きました。喜友名ガーが近いようです。
基地のフェンスで行き止まりになったところに1軒の建物がありました。
中にはポンプが2台置かれていて、その建物はポンプ室でした。
周囲を見回すと、草が繁茂した中にガーらしきものや水が流れる深い溝などが見えます。
オジサンは見回りと言っていたので、すぐ帰るかもしれません。写真を撮るなら急がなくては!
さきほどの板状の岩が立てられているところへ戻って撮ってきました。
板岩の間が門のようになっていて、左側へ下りて行く階段が造られています。
(そのときは何の予備知識も無くてあとから仕入れた知識でこれを書いています)
喜友名ガーは、カーグヮー(女の泉)とウフガー(男の泉)の2つのガーをまとめて呼ばれているらしく、写真はカーグヮー(女の泉)のものです。
奥の方にさきほどの板岩と階段が見えてますね。
カーグヮー(女の泉)の正面のながめです。
カーの構造や石組みについては詳しくないのでよく分かりませんが、湧き口は3つあり、水量は思っていたほど出てなくて静かにチョロチョロと流れるくらいで、やや期待ハズレです。 ^ ^;
それでも貯まっている水はとても透きとおっていて深さは10cmほどです。細長い板のようなものが2枚置かれていて、踏み台かな?とも思ったのですが荷物置き用の台かもしれません。
また、カーグヮーの左側には変わった構造のものがありました。
これがその変わった構造のものです。石の壁と石垣とで三角形に囲まれています。
ここで水が湧いているようすはありません。
何のための場所(部屋)なのかよく分かりませんが、もしかしたら女性が水浴びをする場所でしょうか?
カーグヮー(女の泉)を右側から遠目で見た写真です。右側手前に階段があり、奥には三角の部屋のようすも見えています。湧き出た水は左側に造られた溝の方へ流れ出て行きます。
そして、カーグヮーの左奥の方には、大きな木の枝が覆いかぶさって薄暗いうっそうとした場所が見えていますが、あそこがウフガー(男の泉)の場所です。
これはウフガー(男の泉)の正面を撮った写真なのですが、今見ると何かよく分かりません。
落ちついてちゃんと撮っていればと後悔してます。 w(ToT)w
たぶん湧き口が左右に二つだと思うのですが、草が生えていてよく見えないです。
水の中には藻のようなのが漂っていました。
ウフガー(男の泉)とカーグヮー(女の泉)から湧き出た水の流れは、やがて合流して基地のフェンスの中へと消えて行きます。溝の深さ(高さ)は1mくらいで側面が石垣で固められています。
流れる水のようすを見ていると、チョロチョロ出ていたと思われた湧き水の水量はじつは案外と多かったのだという事がわかります。 ^ ^;
この水はその先、前にブログに書いた「ふんしんせせらぎ通り」やウフガー、ふんしんガーへと流れて行っているのでしょうか。
さて、ひととおりの写真を撮り終えたところでオジサンのようすを確かめると、何やらポンプ室で作業している様子・・・。
私の方は、喜友名ガーの知識を事前に仕込んでいなかったのでこれ以上ここにいても仕方ないので、オジサンにお礼を言ってその場から静かに立ち去りました。
喜友名ガーを見ることが出来たと言う突然に舞い込んできた幸運に多少気持ちがたかぶっていたのでしょう、帰り道は登り坂にも関わらずとても短く楽に感じられました。 ^ ^
じつは、その距離は150mくらいのようです。 ^ ^;;
あっと言う間に、いつもカギのかけられているフェンスのところまで来てしまいました。 ^ ^
フェンスのゲートには貼り紙がされています。
喜友名ガーを見学するには一週間前までに市の教育委員会か喜友名区自治会へ連絡するようにと貼り紙には書かれています。
事前に申し込めば見学ができるようです。 ^ ^ しかし今日はラッキーでした!!
県道の横から、喜友名ガーのある場所を改めて観てみました。
深い森の中に埋もれて喜友名ガーは良く分かりません。
その向こう側には米軍基地キャンプ瑞慶覧の工場や倉庫群が整然と建ち並んでいます。
思い返してみると、喜友名ガーは基地内にあるため自由に立ち入ることは出来ませんが、喜友名ガーまでの途中の道のりの両サイドもフェンスで仕切られていて、(私が見た範囲では)その他の出入口が見当たらなかったことから、喜友名ガーには米軍自体も自由に立ち入ることが出来ないようになっているのかもしれません。 ^ ^
じつはこの喜友名ガー周辺から普天間までの西普天間住宅地区と呼ばれる一帯の軍用地は、平成27年に返還されて現在、跡地利用計画が進行しています。
参考リンク: キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)跡地利用計画 ※PDF
(参考リンクの長いURLを短くしたので表示がおかしいですが、安全で問題なしです。)
喜友名ガーはその周辺の湧き水ガーもまとめて都市公園になる計画のようです。ガーに自由に入れるようになる日が今から待ち遠しいです。 ^ ^
今回の記事はお出かけ情報にはなっていないですネ、失礼! [photography: 8/2018 ]
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